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前回の比較記事 では「1級と完全遮光は何が違うのか」を整理しました。 今回はそれを踏まえ、実際に買うときに何を見ればいいのか をバイヤーズガイドとしてまとめます。

結論先出し

迷ったら次の3点で絞り込めば外しません。

  • JIS L 1055 で1級 (遮光率 99.99% 以上)
  • サイズオーダー可 (既製サイズで合わなければオーダー)
  • 防音/断熱機能付き (生地の重みと多層構造で光漏れも減る)

この品質ラインを満たせば、寝室での早朝光・街灯対策はほぼ解決します。 価格は2枚組で 5,000〜12,000 円が目安。

最短ルートが欲しい人はまずこれ。

なぜ遮光が睡眠に役立つ可能性があるのか

夜間の光暴露が睡眠に悪影響を与えるのは、メラトニン分泌の抑制が主因です。 Cho et al. (2015) のレビューは、観察研究と介入研究をまとめ、夜間の人工光が

  • メラトニン分泌の抑制
  • サーカディアンリズムの位相後退
  • 睡眠の質の低下 (中途覚醒、深睡眠の減少)

を引き起こすことを整理しました (Cho 2015)。 特に5月以降の日本では、日の出が午前4時台まで早まり、寝室の窓から差し込む光が睡眠後半を浅くします。 遮光カーテンは、薬を使わずに介入できる最もコスパの良い手段 です。

遮光等級の見方 — JIS L 1055

日本工業規格 JIS L 1055 では、遮光率に応じて3等級が定義されています。

等級遮光率体感
1級99.99% 以上ほぼ真っ暗。顔の判別が困難
2級99.80〜99.99%やや薄暗い。表情は分かる
3級99.40〜99.80%薄明るい。読書は不可だが動作可

ここで注意したいのが「完全遮光」表記の罠です。

  • 完全遮光は JIS 等級ではない — 各メーカーが独自に「遮光率100%」を称している
  • 生地のコーティング (アクリル樹脂) で物理的に光を遮断 している
  • 「完全遮光」と書いてあっても 生地そのものは1級 で、コーティング層で100%にしている製品が多い
  • 縫製や取り付けで隙間ができれば、生地が100% でも部屋は真っ暗にならない

つまり 「完全遮光 = 部屋が漆黒」は半分嘘 です。 生地の遮光率と、実際に部屋に届く光量は別物。 ここを混同していると、買って失敗します。

失敗しない7チェック

カートに入れる前に必ず確認すべきポイント。

  1. 遮光等級: JIS 1級 (99.99% 以上) が最低ライン。3級以下は寝室には不適
  2. サイズ: 窓枠より幅+10〜20cm、丈は床に少し触れる長さ。光漏れの最大原因はサイズ不足
  3. 防音/断熱: 多層構造のものは遮光性能も高い傾向。冬の暖房費が下がるので元が取れることも
  4. 洗濯可能性: ウォッシャブル表記の有無。子供部屋では確認したい、寝室でも年1回は洗いたい
  5. : 黒や濃紺は遮光性能は同じだが、室内側が暗くなり気分が沈む。寝室なら 室内側がベージュやアイボリー の二重織を選ぶ
  6. 縫製 (重ね): カーテンの中央が2枚重なる「センターオーバーラップ」仕様だと、合わせ目からの光漏れが減る
  7. 取付方式: 既存レールに合うフックタイプか。賃貸なら アジャスター付きつっぱり棒対応 が安全

特に (2) サイズ は失敗例の8割を占めます。 窓枠ぴったりだと両サイドから必ず光が漏れる。「窓 + 20cm」を覚えておくと良いです。

編集部 BEST 5

用途別に5タイプを厳選しました。

1. 入門 (1級 既製サイズ)

まず試したい人向け。既製サイズで合えば2,000〜5,000円で手に入ります。 コスパは優先度が高いですが、窓サイズが合わないと光漏れリスクあり。

2. 標準 (オーダー1級)

ほとんどの人にとっての最適解。 1cm 刻みでサイズオーダーできるので、光漏れの主因が消えます。

3. 完全遮光 + 防音

街灯直撃・西日強・夜勤明けの日中睡眠など、極端な環境向け。 コーティング生地で重く、防音性も高いので、線路沿い・大通り沿いにも有効。

4. 子供部屋 (洗濯重視)

子供部屋では飲み物や食べこぼしで汚れがち。 ウォッシャブル 表記のあるものを選ぶと、自宅の洗濯機で洗えます。

5. 賃貸 / つっぱり棒対応

カーテンレールが付けられない賃貸や、窓枠が特殊な部屋向け。 つっぱり棒で取り付けられるタイプなら、退去時の原状回復も不要。

取り付けのコツ — 光漏れ防止

商品が良くても、取付が雑だと性能が出ません。 光漏れは主に 上部両サイド から起こります。

  • 上部: カーテンレールと天井の間に隙間がある場合、上部から光が回り込む。カーテンレールカバー (1,000円程度) を後付けすると解消
  • 両サイド: 窓枠の外側に20cm 以上はみ出すサイズで、壁にカーテン端を密着させる。マグネットテープ を縫い付けて壁の金属プレートに貼り付ける方法も
  • 中央の合わせ目: 2枚のカーテンが中央で重なるよう 5cm 以上のオーバーラップ を確保
  • : 床に少し触れる長さ (床上 1cm) にすると、下部からの光漏れも防げる

特に賃貸では、サイドの光漏れに対して 遮光テープ (両面テープ式) を使う人が多いです。

よくある誤解

「遮光1級 = 真っ暗」ではない

1級は遮光率 99.99% 以上ですが、これは 生地の性能 であって部屋の暗さではありません。 取り付けが甘ければ、1級カーテンでも部屋は薄明るくなります。

「99.99% 透過なら 0.01% は漏れる」

数字のマジックに注意。 99.99% 遮光 = 0.01% 透過。 窓全面で考えると、強い日差しの 0.01% でも、夜間の月明かりよりは明るい場合があります。 極端な環境では完全遮光 + サイド対策の合わせ技が必要です。

「黒いカーテンが一番遮光する」

色と遮光性能は無関係。 遮光率は生地の密度とコーティングで決まります。 室内側がベージュ系 の二重織なら、性能を落とさず室内の閉塞感を軽減できます。

まとめ

  • 寝室の遮光は JIS L 1055 で1級 (99.99% 以上) が最低ライン
  • 「完全遮光」表記は JIS 等級ではない。生地100% でも取付次第で光は漏れる
  • 失敗しない7チェック: 等級・サイズ (窓+20cm)・防音/断熱・洗濯可能性・色・縫製・取付方式
  • ほとんどの人にとっての最適解は 1級 + サイズオーダー + 防音兼用 (5,000〜12,000円)
  • 光漏れは取り付けで決まる。上部 + サイド + 中央オーバーラップを意識
  • 夜間光がメラトニンを抑制するエビデンスは確立されている (Cho 2015) ので、寝室の遮光は薬を使わない最大の投資先

5月〜8月の早朝光対策として、今買って今夜から影響が出るのが遮光カーテンの強みです。