「この体格なら減量すべきか、増量すべきか」
筋トレ界隈で一番よく出る質問ですが、身長と体重だけではほぼ決まりません。 たとえば 172cm / 72kg は BMI で見ると 約24.3。日本の基準では肥満ではない一方、見た目は体脂肪率と筋肉量で大きく変わります。
同じ 72kg でも、
- 腹囲が細く、筋トレ歴が長い人
- 腹囲が太く、筋トレ未経験の人
- 体重は普通だが筋肉量が少ない人
では、取るべき戦略が違います。
結論
迷ったら、最初の答えは リコンプ です。
つまり、いきなり「大幅減量」か「バルクアップ」に振り切るのではなく、
- 体重はほぼ維持、または軽いマイナス
- 週2〜4回の筋トレ
- 体重1kgあたり1.6g前後のタンパク質
- 腹囲と写真を毎週記録
で、脂肪を少し落としながら筋肉を増やす 方針です。
特に筋トレ初心者は、減量中でも筋肉が増える余地があります。Longland et al. (2016) は、エネルギー不足下でも高タンパク質 + 高強度運動を組み合わせると、低タンパク質群より除脂肪量が増え、脂肪量がより落ちることを示しました。
リコンプで最初に崩れやすいのは、筋トレよりタンパク質量です。食事だけで足りない日の補助を先に固定します:
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1. 172cm / 72kg は太っているのか
BMI は 72 ÷ 1.72 ÷ 1.72 = 24.3。
これは「すぐ減量確認したい」とまでは言えません。ただし、BMI は筋肉と脂肪を区別できないので、筋トレ判断には弱い指標です。
ここで見るべきは 腹囲 / 身長比 です。
Ashwell et al. (2012) や Browning et al. (2010) の系統レビューでは、心血管・糖代謝リスクのスクリーニングでは BMI より waist-to-height ratio、つまり「腹囲 ÷ 身長」が有用と整理されています。よく使われる目安は 0.5未満。
172cm なら、
- 腹囲 86cm 未満: 0.5未満
- 腹囲 86cm 以上: 0.5以上
です。
つまり、172cm / 72kg でも腹囲が 78cm なら「増量寄り」もありえます。一方、腹囲が 90cm なら体重そのものより腹部脂肪を先に落とすほうが合理的です。
2. 減量・増量・リコンプの分岐
ざっくり分けるならこうです。
| 状態 | 優先戦略 | 理由 |
|---|---|---|
| 腹囲/身長 ≥ 0.5 | 減量寄りリコンプ | まず腹部脂肪を落とす |
| 腹囲/身長 < 0.5 かつ筋トレ未経験 | リコンプ | 初心者は筋肉増と脂肪減が同時に起こりやすい |
| 腹囲/身長 < 0.5 かつ筋トレ歴あり | 軽い増量 | 筋肥大にエネルギー余剰が必要になりやすい |
| 明らかに痩せ型・低筋量 | 増量寄り | 体重より除脂肪量を増やす |
多くの「普通体型だけど締まりがない」人は、急いで増量すると腹だけ先に増えます。逆に急いで減量すると、筋肉が少ないまま小さくなるだけです。
だから最初の 8〜12 週間は、体重を大きく動かさず、腹囲と扱う重量を動かす のが安全です。
3. リコンプの実行条件
1. カロリーは軽いマイナスか維持
目安は、体重が週に 0〜0.5% だけ落ちる程度。
72kgなら、週0〜360gくらいです。これ以上落とすと、初心者以外では筋肉も落ちやすくなります。
2. タンパク質は体重 × 1.6g/日前後
Morton et al. (2018) のメタ解析では、レジスタンストレーニング中の除脂肪量増加はタンパク質摂取量が増えるほど伸び、概ね 1.6g/kg/day 付近で頭打ちになると整理されています。
72kgなら 約115g/日。
これは普通の食事だけだと意外と難しいです。
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3. 筋トレは週2〜4回
Schoenfeld et al. (2017) は、週あたりセット数が筋肥大に用量反応的に関係することを示しました。初心者なら、最初から限界まで追い込むより、全身を週2〜3回回すほうが続きます。
最低限はこの3つ。
- スクワット / レッグプレス系
- プッシュアップ / ベンチプレス系
- ローイング / 懸垂系
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4. 「減量すべき人」のサイン
次に当てはまるなら、増量より先に減量寄りです。
- 腹囲 / 身長が 0.5 以上
- ベルト穴がきつくなっている
- 体重は普通だが、腹部だけ出ている
- 睡眠時無呼吸や強いいびきがある
- 健診で中性脂肪・血糖・血圧が悪化している
この場合も、極端な食事制限ではなく、筋トレを残したまま 小さなカロリー赤字 にします。
5. 「増量してよい人」のサイン
逆に、次なら軽い増量もありです。
- 腹囲 / 身長が 0.45〜0.48程度
- 筋トレ歴が半年以上あり、重量が伸びにくい
- 食事量を増やしても腹囲が急に増えない
- 体重より見た目が細い
ただし「増量」は食べ放題ではありません。目安は体重が月に 0.5〜1.0kg 増える程度。72kgなら月+0.7kg前後で十分です。
6. 測るべき数字
体重だけを見ると判断を間違えます。
毎週見るのはこの4つ。
- 体重
- 腹囲
- 正面・横の写真
- 主要種目の重量 / 回数
食事は最初の2週間だけでも記録すると、タンパク質量とカロリーのズレが見えます。
私見 - 迷う体型ほどリコンプでいい
172cm / 72kg のような「標準上限〜少し厚みがある」体型は、減量か増量の二択にしないほうが失敗しにくいです。
腹囲が大きいなら、まず腹囲を落とす。 腹囲が大きくないなら、筋トレとタンパク質を固定して 8〜12 週間様子を見る。
体重が変わらなくても、腹囲が減り、扱う重量が伸び、写真の輪郭が変わるなら選択肢です。
やってはいけないこと
- BMIだけで減量/増量を決める: 筋肉と脂肪を区別できない
- いきなり大幅カロリー赤字: 筋トレ初心者の伸びしろを潰しやすい
- 腹囲が大きいのにバルクアップする: 腹部脂肪が先に増える可能性が高い
- プロテインだけで食事変化した気になる: 総カロリーと脂質量も見ないと体型は変わらない
- 毎日同じ部位を追い込む: 回復不足で重量が伸びず、継続しにくい
まとめ
- 172cm / 72kg は BMI 約24.3。これだけでは減量/増量は決まらない
- 見るべきは 腹囲 / 身長。172cmなら腹囲86cmがひとつの境界
- 筋トレ初心者は、減量か増量より リコンプ が第一候補
- 目安はタンパク質 体重 × 1.6g/日、週2〜4回の筋トレ、体重は維持〜軽いマイナス
- 8〜12週間、体重ではなく 腹囲・写真・扱う重量 を見る
結論。迷っているなら、まず「減量」でも「増量」でもなく、腹囲を測って、筋トレとタンパク質を固定する。体型判断はそこからで十分です。