📘 このトピックは、当サイトの睡眠の科学・完全ガイドの一部です。グリシンとの選び分けはグリシンとテアニンの違いに、他の成分の用量は睡眠サプリ成分9種のエビデンス&有効用量データベースにまとめています。
先に答え:目的の30〜60分前に200mg
L-テアニンを飲むタイミングは、効かせたい時刻の30〜60分前です。量は1回200mgを基準にします。
この答えは、次の3つの数字から出しています。
| 何を測ったか | 数字 | 出典 |
|---|---|---|
| 飲んでから血中濃度が最大になるまで | 約0.8時間(約48分) | Scheid 2012(健康な成人12人、100mg) |
| 睡眠を扱った試験で使われた1日量 | 200〜450mg | Cotter 2026 系統的レビュー(13試験・550人) |
| 集中力が上がった飲み方 | 200mgを検査の30〜60分前に1回 | Gerolymos 2026 メタ分析(31試験・1,168人) |
目的別にまとめると次のとおりです。
| 目的 | いつ飲むか | 量 | どのくらい続けるか |
|---|---|---|---|
| 寝つき・睡眠の満足感 | 就寝の30〜60分前 | 200mg(試験では1日200〜450mg) | 毎日。4週間続けた試験がある |
| 日中の集中 | 作業の30〜60分前 | 200mg | 必要な日だけでよい |
| 緊張する場面 | 本番の1時間前 | 200mg | 必要な日だけ。影響は小さい |
なぜ「30〜60分前」なのか
血中濃度は約48分で最大になる
ドイツ・ボン大学のScheidらは、健康な成人12人にL-テアニン100mgをカプセルか緑茶で飲んでもらい、24時間にわたって血液と尿を調べました(Scheid 2012)。
- 血中のテアニン濃度が最大になったのは、カプセルでも緑茶でも飲んでから0.8時間後でした。
- 50mg・100mg・200mgと量を増やすと、血中に入る総量も量に応じて増えました。
- テアニンは体内でエチルアミンとグルタミン酸に分解されます。作用の可能性目がテアニンそのものによるのか、分解物によるのかはまだ分かっていません。
吸収が速い成分なので、「効かせたい時刻の少し前」に飲むのが理にかないます。
集中力のメタ分析も「30〜60分前」
2026年にフランスのGerolymosらが、ランダム化比較試験31本(1,168人)をまとめました(Gerolymos 2026)。はっきりした影響が出たのは、200mgを1回、検査の30〜60分前に飲んだときの反応の速さ(選択反応時間)です。影響の大きさは標準化平均差0.51で、中くらいとされる大きさです。
ここは正直に線を引きます。睡眠について「何分前に飲むのが最もよいか」を比べた試験は、今回読んだレビューの要旨には出てきません。 睡眠の「就寝30〜60分前」は、上の吸収の速さから逆算した目安です。
睡眠:1日200〜450mgを、続けて見る
2025年11月にオンライン公開された系統的レビュー(Cotter 2026)は、L-テアニン単独で睡眠を調べた13試験(550人、1日50〜900mg)を集めました。結論は「1日200〜450mgは、成人の健康な睡眠を支える安全で有効な方法とみられる」です。寝つきまでの時間、睡眠の維持、睡眠効率、目覚めたときの回復感などで良い結果が報告されています。
ただし同じ研究グループによる2026年のまとめ(Cotter & Kilpatrick 2026)では、睡眠の質は支えるが、合計の睡眠時間はほとんど変わらないと書かれています。「長く眠れるようになる」成分ではありません。
日本の国立精神・神経医療研究センターの試験(Hidese 2019)では、健康な成人30人(平均48歳)が1日200mgを4週間飲みました。偽薬と比べて睡眠の質の指標(PSQI)が下がり(変化)、中でも寝つきまでの時間と睡眠の妨げの項目が変化しています。
1晩で判断しないのがコツです。試験の多くは数週間続けてから評価しています。
日中に飲んでも眠くならないのか
レビューはどれも、L-テアニンは鎮静(眠気で落とす作用)を起こさずにリラックスを助けると書いています(Cotter 2026、Cotter & Kilpatrick 2026)。日中の集中を目的に飲んで、注意課題の成績が上がったという結果もこれと合っています。
眠くなって寝る、という作用の可能性方ではありません。そのため睡眠目的でも「飲んだらすぐ眠くなるはず」と期待すると外れます。
緊張する場面の前に飲むなら
Evansらの試験(Evans 2021)では、ストレスを感じている健康な成人に200mgを1回飲んでもらい、暗算課題でストレスをかけました。偽薬と比べて、1時間後に唾液中のコルチゾール(ストレスホルモン)がより大きく下がり、3時間後にリラックス時に増える脳波(α波)が増えています。
一方で31試験のメタ分析では、1回飲んだときのストレス軽減は小さく(標準化平均差0.31)、しかもバイアスの危険が高い試験に引っ張られていました(Gerolymos 2026)。「少し落ち着く」程度と見込んで、1時間前を目安にするのが現実的です。
研究の読み方で気をつけること
この分野の論文は、テアニンを売る側が関わっているものが多くあります。
- 2つのCotterレビューの著者は、テアニン入り製品を売る会社(British American Tobaccoの子会社)の所属です。
- Hidese 2019は、テアニン錠を提供した太陽化学の社員が共著者です。
- Evans 2021は、特定ブランドのテアニン(AlphaWave)の試験です。
- Gerolymos 2026も、著者の1人がサプリ会社の創業者であると開示しています。
利益相反があるから結果が誤りだ、ということにはなりません。ただ、影響の大きさは控えめに読むのが安全です。
サプリを選ぶときに見るところ
**「1日の目安量あたりのL-テアニンが何mgか」**を最初に見ます。1粒あたりの量は商品で違うので、「何粒飲めばいいか」はラベルのmg表示から逆算します。
- 200mgに届くか。粒数を増やさないと届かない商品もあります。
- カフェインが入っていないか(睡眠目的の場合)。
- 他の成分との配合型なら、テアニン単体の量が書いてあるか。
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配合型のサプリ(テアニン+グリシンなど)を比べたい場合は、グリシンとテアニンの違いで症状別に選び分けています。
よくある質問
テアニンは朝と夜のどちらに飲むべきですか?
目的で決まります。睡眠のためなら夜(就寝30〜60分前)、日中の集中のためなら作業の30〜60分前です。睡眠の試験では1日200〜450mgが使われているので、1日量をこの範囲に収めれば、朝と夜に分けることもできます。
1日何mgまで飲んでいいですか?
今回読んだ試験の範囲は1日50〜900mgで、レビューはいずれも重い副作用の報告は無いとしています。ただし「ここまでなら安全」という上限を決めた資料ではありません。商品の1日目安量を超えないようにしてください。妊娠中・授乳中の方、薬を飲んでいる方は医師・薬剤師に相談してください。
緑茶を飲めば同じですか?
吸収の速さは、カプセルと緑茶で同じでした(Scheid 2012)。ただしこの試験の緑茶は、テアニンを100mg含むように用意したものです。普段飲む1杯のテアニン量は茶葉や淹れ方で大きく変わり、この記事では数字を示せません。また緑茶にはカフェインが入っているので、寝る前に飲むのは睡眠目的と矛盾します。
睡眠薬の代わりになりますか?
なりません。レビューの結論も「健康な睡眠を支える」までで、不眠症の人を対象にした質の高い試験が今後必要だと書いています。違いは睡眠サプリと睡眠薬は何が違うのかにまとめています。眠れない状態が続くときは受診してください。
出典・確認先
- Scheid L et al. (2012) Kinetics of L-theanine uptake and metabolism in healthy participants are comparable after ingestion of L-theanine via capsules and green tea — Journal of Nutrition ↗
- Cotter J et al. (2026) Examining the effect of L-theanine on sleep: a systematic review of dietary supplementation trials — Nutritional Neuroscience ↗
- Gerolymos C et al. (2026) Cognitive and affective effects of L-Theanine: a systematic review and meta-analysis of 31 randomized trials — Molecular Psychiatry ↗
- Hidese S et al. (2019) Effects of L-Theanine Administration on Stress-Related Symptoms and Cognitive Functions in Healthy Adults: A Randomized Controlled Trial — Nutrients ↗
- Evans M et al. (2021) A Randomized, Triple-Blind, Placebo-Controlled, Crossover Study to Investigate the Efficacy of a Single Dose of AlphaWave L-Theanine on Stress in a Healthy Adult Population — Neurology and Therapy ↗
- Cotter J, Kilpatrick HE (2026) Effects of L-theanine on cognition, mood and sleep: evidence from human trials — Frontiers in Nutrition ↗